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2007年1月30日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
天からふってきたおうぎ
鳴沢村の昔話

むかし 鳴沢村は作物もろくに育たない貧しい村でした。
村人も「富士山のふもとのひかげの村だからしょうがねえ」と半分あきらめていました。
ところが 村一ばんのはたらき者の与宗右衛門(よそううえもん)さんは まずしさにまけず元気にくらしていました。
与宗右衛門さんは 気もちのやさしい人で びょう気で ねてる人がいれば元気がでるようにと、たべるもん分けてやったり しごとを手伝ってやったり そりゃあ 親切な人でした。そして毎朝くらいうちにおきちゃあ吉田の浅間神社まで出かけていきます。
村の人たちが安心してくらしていけますようにと神さまにおねがいしていたのです。

「神さま、おやぁ(鳴沢村の方言で、自分のこと) こんな あく人づらしてぇるが 気もちは まっ正直でやってます。村のもんもみんなええ人げんです。村を ゆたかにして下せぇ・・・。」

ある年のことです。
わるい天気がつづき 作物がぜんぜん育ちません・・・。このまま 冬がくれば村はぜんめつです。
そんな 冬もちかづいたある朝 与宗右衛門さんがいつものように まだ暗い浅間神社への道を歩いていると空から白いもんが おちてきました。はつ雪です。冬がやってきたのです。
与宗右衛門さんは空を見上げ こわいかおで雪をにらんでいましたが しばらくすると与宗右衛門さんのこわいかおが なさけないかおになり その目からボロボロとなみだがこぼれおちました。
「神さまたすけてくだせえ。 村を 村のみんなをすくってくだせえー。」
そのときです。雪といっしょに ふわり ふわりと白いおうぎが 空から ふってきて与宗右衛門さんの足もとにポトリと おちました。
おうぎをひろい上げて見ると、うつくしい富士山と どっしりとした、大こくさまの絵がかかれています。 それはりっぱな おうぎでした。
与宗右衛門さんは おだいかんに このおうぎを もっていき「これは、神さまのおうぎにちがいありません。」と とどけたのです。
おだいかんは おどろき、さらに おとのさまのもとへさしだすと、おとのさまは 大へん よろこびました。
そして ほうびとして 千りょうという大金をだしてくれたのでした。
与宗右衛門さんはそのお金で村の人たちといっしょに 大きな畑をつくることができました。
与宗右衛門さんがかみさまにおねがいしていたように、村はゆたかになり、村人は みんあ幸せになっとといこうことです。

本文終わり
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