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2007年1月30日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
ごうぞの飛び落とし
富士河口湖町(旧勝山村)の昔話

むかしむかし・・・・・・
富士河口湖町(旧勝山村)の毛石山には色んな動物がいました。
ある日、一匹の動物がいいました。
「だます力は たぬきときつねではどちらが強いんだろ・・・?」
たぬきときつねは何んにでも化けられる だます力をもっていました。
でも、どちらの力が強いのか まだだれも知りませんでした。
「おれさまの方が強いにきまっている。よし 勝負してやろう」ときつねは自信まんまんでこたえました。
「わしゃあきつねのように だますのはうまくない。」とたぬきは あなの中へもぐりこんでかくれてしまいました。
勝ちほこった きつねは大いばりです。大蛇に化けたり お化けになったりみんなをだましておどかします。
そして「天下をとってやる! これからは オレがお山のたいしょうだ。オレにしたがえ」と言いだす始末です。
これには 他の動物たちも弱りはて・・・やはり たぬきに力くらべをしてもらうしかないと、たぬきにたのみました。でも、気の弱いたぬきはいよいよ あなの中へもぐりこんで 外へでてこなくなりました。
そんな  たぬきをみんなではげましました。そして、なんとか たぬきにがんばってもらって きつねのやつをぎゃふんといわせてやろうと あれや これや考えました。
みんなで・・・・・・考えました。
そして・・・・・・たぬきはきつねと空をとぶことで勝負することになりました。
毛石山から里宮の森まで、どちらが遠くまでとべるかという たたかいです。
たぬきは「おいらが先にとぶよ」と元気よく「いちにほい」と、モモンガーに化けて空にとび出しました。きつねは空とぶモモンガーを見て、おどろきました。
きつねは「よしオレも」と モモンガーに化けて「えいやーっ」と後をおいました。
たぬきのモモンガーは月の光の中、気もちよさそうに里宮の森へとんでいきました。
きつねのモモンガーはふらふら、ヨロヨロ、初めて化けたモモンガーでしたからうまく空をとべません。と中失敗して、池にドボンとおちてしまいました。
みんなはそんなきつねを見て大わらいしました。
毛石山での このたたかい、勝ったのはたぬきのだます力だったのでしょうか。
いいえ 勝ったのはみんなの考える力でした。

じつは 空をとんだのは本物のモモンガーだったのです。
タヌキは「いちにいほい」でモモンガーといれかわり、木の上にかくれてました。
このことがあってから人々は  このあたりを「ごうぞのとびおとし」とよぶようになりました。夜 このあたりを通ると モモンガーがかおにはりつくぞなどとおどかすので だれも一人でではここを通らなくなったということです。 「ごおぞ」とは一丁目一番地のことだそうです。  

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