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2022年9月2日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
かっぱこう
富士河口湖町(旧河口湖町)の昔話

むかしむかし 河口湖に食いしん坊で力じまんのかっぱが住んでいました。
ある日、村一番の力もち 安太郎さんが湖畔を歩いているとかっぱが
「おれと すもうをとるべぇ」と声をかけてきました。
見ると子どもくらいの 大きさのかっぱです。
安太郎さんはにっこりして うなずきました。
力じまんのかっぱと 人間のすもうが始まりました。
「ハッケヨーイ のこった。」
がっぷり 四つに組んでて おどろいたのは安太郎さんです。
その小さなかっぱの 力の強いことといったらない おしてもひいてもびくともしないのです。安太郎さんはずるずるとおしこまれ、湖の中へ おとされそうになった その時おかあのいっていたことを思い出したのです。
「かっぱの 頭のさらにゃあ、三っつのあなが えーてるからそれにゆびをつっこみゃ かっぱはうごけなくなるんだど。」見るとたしかに 三っつのあながあります。
すると きゅうにかっぱの力は弱くなりました。
安太郎さんは、かっぱを目よりも高くさしあげ えーいとなげとばしました。
今度は なげとばされたかっぱがおどろきました。
「ひゃーっ人間て すげー力もちがいるんだなー なんであんなにつえーづらか・・・?」夜になると かっぱは安太郎さんの家にでかけ 外から中をそっとのぞいてみました。安太郎さんは おかあとたのしそうに夕飯を食べています。 
「あぶり魚、くってみてえーな、力もちになれるずらなー・・・。」
かっぱは あぶりざかなをたべたくて仕方ありません。
かっぱは 毎日あぶり魚のことばかり考えていました。
水の中に住むかっぱには 火であぶる あぶり魚のつくり方がわかりませんでした。 
食べられないと よけいに食べたい気もちは強くなります・・・。
ある夜の真よ中のことです。かっぱは とうとうがまんできなくなり安太郎さんの家にそっと しのびこみました。そして・・・ヒジロにさしてあるあぶり魚を 一匹食べました。
「うめー!!なんちゅう うめえずらか。」
一匹食べたら さらにもう一匹 さらにかっぱは夢中でむさぼりついていました。
「ぬすっと かっぱめが!!」
いつのまにか目をさました 安太郎さんがかっぱをにらんでいました。
そして、いきなり あなにゆびいれてきました。かっぱはもう逃げることはできません。
「すいません もう二度とぬすんだりしねーから かにんしてくでー」
かっぱは泣いてたのみました。
「かっぱにゃー河童膏(かっぱこう)ちゅうくすりがあるから そのこせーかたをおせーますので 命だけは助けてくでー。」
安太郎さんは ひっしにたのむかっぱをかわいそうと思いゆるし、にがしてやりました・・・。
その後・・・かっぱのくすりは安太郎さんの家に代々つたわり、河口湖の河童膏(かっぱこう)とひょうばんになりました。
安太郎さんの家には、紙にかかれたくすりのつくり方が今でものこっているそうです。

本文終わり
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