メインコンテンツ
サイトの現在位置
2006年10月4日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
日みずのかんのん
忍野村の昔話

むかし忍野村に仲のいい夫婦がおりました。
二人には子がいませんでした。
二人は毎日、神様に子供がほしいとお願いしていました。
ねっしんな二人の願いが、天につうじたのでした。
二人は、いっぺんに三人の子のお父さん、お母さんになりました。
なんと三つ子がうまれたのです。
三人ともかわいい男の子です。
やっとさずかった三人の子です。
二人は大切にそだてました。そして、ただかわいがるだけでなく・・・・。一番上の子には笛を教え、次の子には舞をならわせ、三番目の子には太鼓を教えました。三人のおかぐらは上手で、かわいくて、夢のようにたのしい日がつづきました。
ところがある年の春、はたけうないをしていたときです。土の中でとぐろをまいているへびをザクリと三つに切ってしまったのです。
不吉なむなさわぎがして いそいで家に帰ると-。
三人の子がたいへんな苦しみようで  そのまま あっけなくしんでしまいました。
二人には どうすることもできませんでした・・・。
のべのおくりをすませると・・・。
「おしょうさん おらたちの話を聞いてくだせえ。」
二人は子をなくした悲しさを・・・この悲しい物語をおしょうさんに話しました。おしょうさんは 話を全部聞きおわると言いました。
「いま おまえたちの 子どもにあわせてやる・・・しばらくまて。」
おしょうさんは おくのひろい部屋にいき、ゆかいたを一枚上げ見せてくれたのです。・・・そこには楽しそうに ピー ピー ドンドンとかぐらをまっている三人の子がいました。
二人はとびおりていきたい気持ちをおさえ、見つづけました・・・。
すると・・・笛、太鼓のあいまに小さな声が聞こえてきます。


「しゃばのてきのにおいがする。」
小さな声はそうささやきあっていました。
和尚さんは床板をもとどおりにすると・・・。
「今見たのがあの世の子どもたちだよ。
もうこの世にもどることはない村にかえったら山の頂上にあなをほり 観音(かんのん)さまをまつりなさい。子どもたちを観音さまが守って下さる」と、教えてくれました。
二人はおしょうさんの言うとおり、笹尾根、タチノ塚、飯盛山それぞれの頂上に観音さまををおさめまつりました。
その後、観音と呼ばれるようになり、それが今でも、昔のまんま村にのこっているそうです。
日みずの観音 それは、その子の幸せをねがう親の心そのものなんですね。今から二百数十年もむかし・・・忍野村での出来事でした。

本文終わり
掲載内容に関するお問い合わせはこちら
総務課
住所:403-8599 山梨県富士吉田市松山五丁目10番13号
TEL:0555-23-5270
FAX:0555-22-8538